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大前研一氏 電子マネーで勝つ必要不可欠な能力を3つ挙げる

 電子マネー業界が、風雲急を告げている。大手流通グループや鉄道系の各社が、外部提携や相互利用の動きを加速しているのだ。流通業界では「電子マネーを制する企業がマーケティングを制する」ともいわれているが、現状はまだドングリの背比べで主な戦国武将がようやく4~5人に集約されてきた、という状況である。電子マネー戦国時代に突入するなか、“天下統一”に必要不可欠な「三つの能力」を、大前研一氏が解説する。

 * * *
「電子マネー新大陸」を制覇するためには、必要不可欠な能力が三つある。

 一つ目は、発行枚数を増やすための物理的な勢力、店舗網など、いわば「モルタル地上軍」を持っていることだ。広く普及活動を展開できる強力な歩兵部隊と拠点がなければ勝ち目はない。

 二つ目は、「越境する能力」だ。自分のシステムをベースにするが、他社システムともすぐに統合でき、客に対して1+1=2+αのサービスを提供できる機能性が必要である。この場合のカギは、ポイントを相互に認証することだが、財力がないと最終的には相手に呑み込まれる。

 三つ目は、顧客から見た「新たな利便性」だ。外部提携や相互利用を拡大するだけでなく、客の潜在的なニーズを解決する技術的な新機軸を持っていないといけない。具体的な例としては「代金支払いの仲介業務」や「マイクロペイメント(小額決済)」「海外送金」などが挙げられる。

 参考になるのは、電子マネーが日本とは大きく異なるかたちで成長しているアメリカだ。たとえば、大手オークションサイト「eBay」の膨大な取引を支えるオンライン決済サービスとして世界中に広く普及している「PayPal」。代金の授受をPayPalが仲介するため、相手にクレジットカード情報を知らせる必要がなく、安全面でもすぐれたサービスとして評価が高い。ICカードを持っていなくてもオールサイバーで決済できる。

※週刊ポスト2011年8月12日号

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