気温を下げずに、気持ちを涼しくする。扇風機がない時代から、日本人は風鈴の音を聞いて涼を感じてきた。それは、視覚からの情報でも同じこと。風景や色が人に与える影響を研究している色彩心理学者の山脇恵子氏が解説する。
「氷は冷たい、冷凍庫は寒い、ということは誰もが身体で経験していること。目で見た“冷たい風景”は脳内で過去の経験と結びつき、“寒い!”という記憶が呼び起こされる。イメージトレーニングが現実に同じ作用をもたらすように、写真を見て呼び起こされたイメージに脳が騙され、実際に寒さを感じるということは十分にありえます。
加えて色の影響も。赤には筋肉の収縮や心拍数、血圧の上昇など人を興奮状態にする力がありますが、その対極にあるのが青です。青の特徴は鎮静作用。脈拍、血圧を抑え、精神をリラックスさせる。心身のクールダウンにはもってこいの色なんです」
小誌記者も写真を前にして、体感温度はマイナス3度。汗もピタリと止まった。究極の“節電”写真を体験して下さい。
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【気仙沼の漁業を支える製氷工場】
■岡本製氷冷凍工場(宮城県気仙沼市)
港近くに位置する製氷冷凍工場。津波の被害を受け工場は浸水、生産不能となった。しかし、気仙沼魚市場が誇るカツオの水揚げに間に合うようにと全力で復旧作業に取り組み、5月中旬には1日60トンの製氷ができるまでに回復。仮置室は-6度、積まれた氷は約200トンにもなる。