肺がんは自覚症状がなく転移しやすいため、治療が難しいがんのひとつとされる。肺は「肺葉」から成っていて、手術ではがんのある肺葉と周囲のリンパ節を切除するのが一般的。しかしその手術方法も、「開胸手術」と「胸腔鏡下手術」とでは大きく異なる。
そこで本誌は、7月26日に国立がん研究センターが発表した「がん診療連携拠点病院 院内がん登録2008年全国集計 報告書」をもとに、「肺がんに強い病院」のランキングを作成した。ランキングにするうえで、基準に置いたのは「患者の受け入れ数」である。医療ジャーナリストで現役医師でもある森田豊医師は、
「1年間の受け入れ数が20人の病院より、100人の病院のほうが診療実績があるので、患者さんも安心できるはずです。がんの部位ごとの“患者の受け入れ数”は病院選びの一つの指標になると思います。
ただし、多ければ多いほどいいというわけでもない。100人より250人のほうがいい病院かというと、それだけで判断はできない。一定数を超えていれば問題ないでしょう」
と、解説する。それでは肺がん患者受け入れ数の多い病院のトップ10を紹介しよう。
1位:国立がんセンター中央病院 東京都中央区
2位:国立がんセンター東病院 千葉県柏市
3位:がん研有明病院 東京都江東区
4位:静岡県立静岡がんセンター 静岡県駿東町長泉町
5位:国立病院機構姫路医療センター 兵庫県姫路市
6位:国立病院機構四国がんセンター 愛媛県松山市
7位:広島市立広島市民病院 広島県広島市
8位:大阪府立病院機構大阪府立成人病センター 大阪府大阪市
9位:新潟県立がんセンター新潟病院 新潟県新潟市
10位:NTT東日本関東病院 東京都品川区
※週刊ポスト2011年8月12日号