原発の安全神話が崩壊し、代替エネルギーのひとつとして注目が高まっている太陽光。震災後はソーラーパネルを導入する家庭が急増しているが、一方で太陽光発電システムに関するトラブルも少なくないようだ。国民生活センターに寄せられる太陽光パネル導入に関するトラブルの相談はこの5年間でおよそ1.5倍にまで増加したという。
そこで本誌は、トラブルの実態を探ろうと、全国の太陽光パネルユーザー100人にアンケートを実施したところ、100人中、11人がトラブルを経験しているという結果が出た。特に多かったのは鳥に関するトラブルだ。
「屋根とパネルの間にハトが棲みつき、糞害に悩まされている」(石川県・44才)
「水鳥がパネルの4分の1の面積に渡って液状の糞をし、発電量が減った」(山口県・55才)
鳥の糞害では、こんなケースもあった。静岡県郊外の一戸建てに住む主婦Aさんは、あるときから、ベランダでよくハトを見かけるようになった。特に対策をとらずに放っておくと、次第にハトの数が増えていき、布団も干せないほど糞をされるようになった。Aさんが振り返る。
「ハトが太陽光パネルと屋根の隙間に巣を作ってしまったんです。糞だけでなく、巣作り用の草や羽根も落ちてくるようになり、近所にも糞の被害が出て、苦情がくるようになりました」
Aさんは市役所に相談し、専門業者に巣を駆除してもらうことにしたという。
「実は太陽光パネルは鳥には快適な居住空間なんです」というのは、太陽光発電に関するコンサルティングや工事を行う会社「発電マン」の代表取締役・岩堀良弘さんだ。
「太陽光パネルのフレーム部分と屋根の間には5cm程度の隙間があります。鳥の子育てを脅かす天敵の猫はこの隙間にははいってこられません。しかも比較的広い空間があるわけですから、鳥たちからすれば格好の子育てスポットなのです」(岩堀さん)
※女性セブン2011年8月18日号