肝臓がんは男性の死亡者数で3位を占めるが、女性の死亡者数はその5分の1。患者の平均年齢が50代半ばと中高年に多いのも特徴だ。
その約90%は肝細胞がん。また、肝臓が発生元の原発性肝臓がんと、大腸などほかの臓器のがんが転移した転移性肝臓がんに大別される。肝臓は多くの血管が集まる臓器であるため、肝臓がんの切除手術には大量出血の危険が伴う。
そこで本誌は、7月26日に国立がん研究センターが発表した「がん診療連携拠点病院 院内がん登録2008年全国集計 報告書」をもとに、「肝臓がんに強い病院」のランキングを作成した。ランキングにするうえで、基準に置いたのは「患者の受け入れ数」である。医療ジャーナリストで現役医師でもある森田豊医師は、
「1年間の受け入れ数が20人の病院より、100人の病院のほうが診療実績があるので、患者さんも安心できるはずです。がんの部位ごとの“患者の受け入れ数”は病院選びの一つの指標になると思います。
ただし、多ければ多いほどいいというわけでもない。100人より250人のほうがいい病院かというと、それだけで判断はできない。一定数を超えていれば問題ないでしょう」
と、解説する。それでは肝臓がん患者受け入れ数の多い病院のトップ10を紹介しよう。
1位:東京大学医学部附属病院 東京都文京区
2位:熊本大学医学部附属病院 熊本県熊本市
3位:国立がんセンター中央病院 東京都中央区
4位:近畿大学医学部附属病院 大阪府大阪狭山市
5位:国立がんセンター東病院 千葉県柏市
6位:久留米大学病院 福岡県久留米市
7位:がん研有明病院 東京都江東区
8位:大阪赤十字病院 大阪府大阪市
9位:自治医科大学附属病院 栃木県下野市
10位:九州大学病院 福岡県福岡市
※週刊ポスト2011年8月12日号