節電の夏、人間だけではなく、熱中症にかかるペットが急増しているという。
赤坂動物病院の柴内晶子副院長によると、
「うちの病院でいうと、今年は前年比2割増しくらいです。特に多いのは犬ですね。猫はもともと砂漠の動物ともいわれていて、暑さや渇きに強いのですが、犬は冷涼な地域の出身種が多く、暑さに弱いんです」。
他にも、犬が熱中症になりやすいのにはこんな理由が。
「人間は、汗腺があって熱を放出できますが、犬の場合は口からハァハァと呼吸するか、四肢の肉球で汗を出すしかないので、非常に体温調節がしづらいんです。それに人間より体が地面に近いので、地面からの反射熱も受けやすくなります」(柴内副院長)
夏場のアスファルトは、昼間だと50度を超える熱さになる。地面に近いだけにその影響は大きく、そのまま歩かせると熱中症だけではなく、肉球を火傷する危険性も。
特に熱中症にかかりやすいのは、短頭種といって鼻の短い犬種だという。
「気道が短かったり、曲がっているため、換気が難しくなりやすいんです。シーズー、チン、ペキニーズ、フレンチブルドッグなど、いま人気の犬種は要注意ですね」(柴内副院長)
年齢は関係あるのだろうか?
「犬の場合、5才を超えると人間でいう35才を過ぎた中年で、熱中症に限らず日々の健康管理が重要になります。ぐったりしていても、熱中症なのか持病なのかわからない場合は、早めに獣医師に相談してください。5才以上の犬は、年2回以上、健康診断を受けたほうがいいですね」(柴内副院長)
※女性セブン2011年8月18日号