「太っちゃった」「痩せられない」と悩む女性は多いが、データで見ると、実は日本のR40女性はそれほど太っていないという。厚生労働省の『平成21年国民健康・栄養調査』によると、40~60才代女性の肥満者(身長からみた体重の割合を示す指数BMIが25以上の人)の割合は、2002年に26.4%だったのが、2005年には24.6%、2008年には、21.7%、2009年は21.8%と徐々に減少傾向にある。
また、こんなデータもある。同省が、1989~2009年に20~80代女性のべ約20万人(愛知県)について、20年間の体形の変化を年代ごとに調べたところ、BMIが18.5未満の「痩せ」に区分される40代女性の割合が、1989年と2009年で約7%から約17%になっている。近年、スリムなアラフォー女性が増加しているのだ。
その背景について、心理学者で駒沢女子大学人文学部教授の富田隆さんはこう分析する。
「ドラマやマスコミの影響などもあって、40代で仕事をしている女性は、痩せているほうが仕事ができるという勝手なイメージを持っていることが多いですね。また、40代女性は更年期を目前にして、“もう女性ではなくなってしまうのではないか”という恐怖を抱え込みやすい年代。そうすると、恐怖や危機感を痩せることで埋めようとする場合もあります」
世界と比較してみても、日本人の痩せ志向ははっきりしている。経済協力開発機構(OECD)が発表した「OECD Health at a Glance 2009」によると、BMI30以上の肥満者の割合は、日本は3.4%と最少。高いところではアメリカが34.3%、イギリスが24.0%などで、日本とは大きな開きがある。
※女性セブン2011年8月18日号