菅直人首相の“抵抗力”は、猛烈な残暑以上に岡田克也・幹事長や仙谷由人・代表代行(官房副長官)ら民主党執行部の苛立ちを募らせている。岡田氏が「代表選をやる」と自民党に伝えた8月7日を過ぎても、菅直人・首相は辞めないどころか、続投に意欲満々だ。
痺れを切らした執行部は、菅降ろしの最終手段を練っている。
「盆明けすぐがヤマ場だ」――7月の終わり、仙谷氏はごく親しい人物に決意の言葉を漏らした。仙谷ブレーンが明かす。
「枝野幸男・官房長官と仙谷さんが17日頃に辞表を提出し、その後に野田佳彦・財務相ら数人の主要閣僚が同調する。そうすれば総理は絶体絶命だ。荒っぽい手段だが、それしか総理を辞めさせる方法はないと執行部は一致した」
岡田、仙谷、枝野各氏とともに菅降ろしの「4人組」と呼ばれる安住淳・国対委員長は、各委員会に「8月26日までに審議日程を終わらせろ」と指示した。今国会の会期末は8月31日だ。指示を受けた議員が語る。
「閣僚の集団辞任で菅首相に退陣表明させ、26日に審議を片付ける。週末(27日か28日)に代表選を実施して、会期末までに首班指名を行なうというスケジュールを狙っているようだ」
仙谷氏や岡田氏らは菅首相(党代表)に任命された閣僚、党役員だ。そんな面々が示し合わせて退陣を迫る行動は「クーデター」といっても過言ではない。
※週刊ポスト2011年8月19・26日号