近年、クイズ形式のバラエティがどこの局でも増えている。低予算で作れる、というのがその理由らしいが、地デジはそのチープさを鮮明に映し出してしまう。
たとえば、7月スタートの『解きバトルTORE!』(日テレ系列・水曜19時)は、田村亮やベッキーらの面々がトラップをクリアしながら、「冒険映画のようなスリルが味わえる」という。だが、魔宮を模したステージは、あまりに安普請。
モチーフの『インディー・ジョーンズ』には遠く及ばず、さながら郊外遊園地の冒険アトラクションだ。
まァ、これは仕方ないにしても、制作者の頭の中までチープになっているのはいただけない。
クイズに失敗すると待ち受ける罰ゲームのシーンは“CMまたぎ”で引っ張られる。アトラクションに足がひっかかり、吉本芸人のしずる村上が宙ぶらりんになるシーンなど、CM前に2回、CM後に3回も“復習”させられてしまった。視聴者をバカにしてるのか。
さして面白くもないこの映像を制作者はどういうつもりで3回も流すのか。第一、こんな場面で何回もCMを挿入したら、視聴者のイライラがつのって、商品の印象も悪くなるばかりではないか。スポンサーは怒らないのか。
※週刊ポスト2011年8月19・26日号