ライフ

落合信彦氏 100億円寄付した孫正義氏揶揄する声に疑問抱く

 今年の夏休みは、東日本大震災の被災地でのボランティア活動を考えている人も多いだろう。東北の被災地にこれまで入ったボランティアの数は阪神・淡路大震災の時よりまだ少ないとされている。一方、義援金や支援金の額は当時より多く、数千億円にのぼるという。だが、それとて、“慈善事業先進国”のアメリカに比べれば微々たるものだ。慈善事業とはかくあるべき、を指摘するのは、国際ジャーナリストの落合信彦氏だ。

 * * *
 アメリカでの寄付は毎年、日本円にして20兆円以上にも及ぶ。比較すれば彼我の差は明らかだ。

 日本人は、義援金、特に金持ちが行なう寄付に対してどうも後ろ向きに考える傾向がある。今回の震災にあたって100億円を寄付したソフトバンクの孫正義に対する報道がいい例だろう。「ユニクロの柳井正が寄付額を明らかにするのを待って、それよりも一桁多い額を出した」などと揶揄するものがあったが、自分で稼いだカネを寄付するのだから、額をどのように決めても問題などないはずだ。

 日米で寄付額に差が出るのは、アメリカではビジネスで大きな成功を収めた人物が、周囲から変に揶揄されることもなく、チャリティに熱心に取り組むことが理由として挙げられる。

 マイクロソフト創業者のビル・ゲイツや「オマハの賢人」と呼ばれる世界で最も成功した投資家の一人であるウォーレン・バフェットは既にその資産の大半を寄付にあてることを表明している。額は数百億ドルにものぼり、中小国の国家予算にも匹敵する額となる。

 若くして成功した経営者でも同様だ。「フェイスブック」創設者のマーク・ザッカーバーグは、27歳にして築き上げた69億ドル(約5600億円)とも言われる資産の大半を慈善事業団体に寄付することを表明している。

 海外のビリオネアたちにとって、カネは目的ではない。ビジネスの成功というかたちでの自己実現のための手段である。だからこそ、リタイアした後や、死後にはそれを社会へと還元するのが自然だと考えるのだ。

※SAPIO2011年8月17日・24日号

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン