世界中でビデオ通話ができ、時間制限はなく、料金は無料。そんな嘘のような本当の話を実現するのがスカイプである。スカイプはいまや世界で7億人ともいわれるユーザーを抱えるインターネットビデオ通話サービスだ。
2003年に欧州でリリースされたこのサービスが日本にやってきたのは2005年頃のこと。IT業界で話題となり国内でも広まり続けている。ソーシャルメディアマーケティング事業を手がけるモディファイの小川浩氏は欧州で始まったスカイプは国をまたがる通話にこそ威力を発揮すると語る。
「パソコンがあれば、海外出張者との通話や複数メンバーでのミーティングも可能ですから、いまの会社の創立時はずっと活用していました。実はスカイプは世界的に見るとすごいユーザー数をもっていて、普及度が高い。グーグルやフェイスブックが同じサービスを自分たちで開発することを考えると、買った方がいいよねと。だからみんな欲しかった。
マイクロソフトが買収に成功しましたが、彼らにはウインドウズという基盤がありますから、パソコンにスカイプが標準装備されると、さらに普及する可能性もある。最近はスマートフォンにもこの機能がのるようになったことで日本でもブレイクの兆しが出てきました」
個人で活用する場が増えればスカイプはまだまだ広がるというわけだ。流通ジャーナリストの金子哲雄氏は日常生活でスカイプをフル活用しているという一人だ。
「まだ携帯の無料通話サービスがなかった頃、無料なのはこれしかなかったんですね。会社や、実家や、ニューヨークや香港にいる知人と、みんなでスカイプするようになって付きの電話代が3分の1になったんです」
※週刊ポスト2011年8月19・26日号