あの「はやぶさ」が映画になった――昨年6月に小惑星イトカワの探査を終え、幾多の困難の末、地球に奇跡の帰還を果たした「はやぶさ」。日本各地でブームにもなった「はやぶさ」のミッションを、約7年間、支えてきたスタッフたちの姿を描いたヒューマンドラマが10月公開の映画『はやぶさ』だ。
2002年夏。古書店でアルバイトをする水沢恵(竹内結子)のもとに、宇宙科学研究所の的場泰弘(西田敏行)から電話がきた。講演会で知り合い、恵に興味を持った的場が、相模原の研究所に誘ったのだ。
恵は、小惑星探査機「ミューゼスC」のサイエンスマネジャーを務める萩原教授(高橋長英)の研究室に所属し、カメラチームの仕事と、的場のいる対外協力室の手伝いをすることになった。「ミューゼスC」チームではプロジェクトマネジャーの川渕(佐野史郎)を中心に、カメラチームを率いる坂上(_嶋政宏)、サンプラー担当の田嶋(山本耕史)、イオンエンジン開発担当の喜多(鶴見辰吾)ら、世界でも例のない理工一体の任務に向けて準備を進めていた。
1985年の構想から17年。メンバーにとって悲願のプロジェクトだ。
広報スタッフとして見学にきた子供たちを相手に専門用語を連発する恵は、「伝える」ことの難しさを痛感。そこで、子供向けの解説書『ミューゼスC君の冒険日誌』を書き始めた。
2003年5月。文科省を説得し、打ち上げ候補地との交渉に奔走する的場の努力によって、鹿児島県内之浦の協力を得ることができた。打ち上げ当日、田嶋が「ミューゼスC」にそっと話しかける。「キミの名前ははやぶさだ」。多くの人々が見守る中、「はやぶさ」は飛び立っていく…。
【『はやぶさ』公開情報】
10月1日より全国ロードショー 監督 堤幸彦/出演 竹内結子、西田敏行、高嶋政宏、佐野史郎、山本耕史、鶴見辰吾/2011年/日本/140分/配給 20世紀フォックス映画
※女性セブン2011年8月25日・9月1日号