カラオケで、ここぞという場面で必ず選ぶ勝負曲。選ぶ理由は、さまざまだけど、その選曲で、隠された心理が丸わかりだという。音楽療法士・音楽心理分析家の大島知子さんは、こう説明する。
「音楽療法という代替医療もあるように、音楽は心身に大きな影響を及ぼします。耳からはいった曲は細胞レベルで体内に浸透し、さまざま影響を与えます。カラオケで歌う曲は単純に好きな歌手だったり、歌いやすいものを選んでいると思いがちですが、深層心理を解き明かすと“自分はこう見られたい”という願望や、これまでの人生を振り返る傾向があります。つまり、歌には歌い手さんの人生や歌詞に含まれる意味、メロディーなど多くの要素があるため、勝負曲での心理分析が可能なんです」
次の3つの曲を勝負曲として歌う人は、自分が好きで、人からも好かれる、“女子力”の高い人だという。
ひとつめは、故・美空ひばりさんのラストシングル『川の流れのように』だ。
「歌詞にあるように、最後はこんなふうに人生を振り返りたいという理想を持ち運命を受け入れ感謝できる人。でも、現状に満足してしまうため努力が足りない面も。生活に余裕がなく、老後の心配などキツキツ感が見えます。夢や希望も思い浮かばず実年齢より老けて見えるかも?」(大島さん)
米国9・11同時多発テロで、一青窈が感じた思いが背景にあるといわれているバラード『ハナミズキ』は、
「好きな人とその相手の関係が続くのを願うなんて、自己犠牲を重んじる“やまとなでしこ”そのもの。その分、女性特有のネチっこさも持ち合わせています。口に出さないだけでつねに不満は人一倍。執念深く、根に持つタイプでしょう」(大島さん)。
森山良子が若くして亡くなった兄への思いを綴ったといわれている夏川りみの『涙そうそう』については、大島さんはこういう。
「遠くに行った大切な人を思い続ける切ない歌。この曲を選ぶのは、一途で心の美しい人ですね。その半面、過去を引きずるタイプなので、そこにつけ込んでくる悪い男になびいたり、恋愛でだまされやすい傾向があるので注意を」。
※女性セブン2011年8月25日・9月1日号