牛肉、牛乳、野菜、魚…いまさまざまな食品で検出され、問題になっているセシウム。人間が食べると臓器に吸収され、将来的にはがんを引き起こす可能性があるとされているだけに、不安は募る一方だ。
牛肉の場合、汚染の原因はエサに含まれていた稲わらだった。田植え前の水のない田んぼに置かれていた稲わらに放射性物質が付着していたという。
だとすれば、水田が汚染されている可能性を疑うのは当然だろう。土壌汚染に詳しい新潟大学の野中昌法教授がいう。
「実は、水田は周囲に比べてセシウムがたまりやすいんです。セシウムは水溶性で、かつ土壌に吸着しやすい性質があります。アスファルトなど吸着しにくい土地ならば雨が降ればセシウムは流されますが、土の上に水を張る水田はセシウムが残りやすくなってしまいます」
土壌のセシウムの一部は稲の根を通じて、茎や葉、玄米に吸い上げられる。
「セシウムが含まれている土壌で稲を育てると、約1割が稲に移行され、そのうち20~30%が玄米に移り、残りは茎や葉の部分に蓄積されます」(前出・野中教授)
※女性セブン2011年8月25日・9月1日号