靴職人、漫画アシスタント、大学研究員など、技とパッションを持って働く16人の女性たちを、小説とエッセイ、妄想とツッコミの名手・三浦しをん氏が直撃したインタビュー集『ふむふむ おしえて、お仕事!』(新潮社、1365円)。この本を、3人の本好きに読んでもらい、感想を述べてもらった。
小説は月に3冊は読むというライターのぽぷらさんは、こういう。
「なでしこジャパンの快挙で大和撫子の底力が世界に伝えられた。でもなでしこはスポーツ界だけにあらず。この本で紹介されている16人のなでしこたちのパワーも拍手喝さいもの。そして百花繚乱の個性に突っこんでいく著者の体験録が、これまたキラリ! 軽やかな文章に引きこまれる。登場したかたがたの多くが高学歴で、身近にはいないエリートだから、異世界をのぞき見る感覚で“ふむふむ”。人物探訪っておもしろい!」
雑誌が大好きだというOLのナナさんは、
「作家が“記者”として16人の女性を取材。どの内容も“そうくるか”というような鋭い変化球を投げかける。それが考え抜いた質問というより、素直な興味だったり、ついいいたくなっちゃった!というようなクエスチョンが多い気が。しかし、それが取材対象者の本質や魅力を引き出していたりして、インタビューの奥深さも感じます。文章は単純におもしろく、現場の楽しげな雰囲気も伝わってきます。著者の人柄にもホレました」と語る。
育児に忙しく読書は貴重な息抜きという専業主婦のドキンさんは、
「仕事を通じてその人の人生と多種多様の職業の世界を垣間見られて楽しかった。ただ読むほうにも好みがあるので、惹かれる業種と、そうでないものもありましたね。個人的には靴職人や漫画のアシスタント、現場監督が興味深かったかな。また、男性社会の中で働いている女性は、やっぱり応援したくなります!」と感想を語った。
※女性セブン2011年8月25日・9月1日号