当サイトでは時々「うちのバカダンナ」を紹介するが、時には逆の“ボケ妻”も紹介しよう。これは1988年に取材したものだが、突拍子もない行動に出る妻たちに夫は常に頭を悩ませていた……。横浜市に住む公務員のKさん(39才)は“人がよすぎる”妻にうんざり、という一見贅沢だが、何やら裏がありそうな悩みをため息まじりに打ち明けていた。(女性セブン1988年6月16日号より)
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「うちにはコンドームだけで、20グロス(2880個)もあるんです。そんなの、生涯かけても使いきれませんよ」
人に分けてやれないだけに、押し入れの中を見ると、カッとしてくるのだそうだ。
「聞くとまた腹がたつから黙ってるけど、たぶん20万円はしている」
とKさんは踏んでいる。そのほかに把握しているだけでも、彼の稼ぎから200万円を超す“無駄金”が消えているという。それもこれも、“殴り殺したいほど人がいい”妻・T代さん(36才)のなせる業。
英会話カセットは「若い男の子が初めてセールスに出た」と、きたから18万円。漢方薬入りの化粧品セットは3点で25万円。「とってもマジメそうなかたなのに、ご主人に離婚された」のが購入動機だという。なのに、一度使っただけで顔が赤くハレあがってしまった。
それだけでは懲りず、彼女は、また“ダイエットの薬”を同じ女性から売りつけられている。
「とても熱心にすすめてくださったから」という理由で35万円。
「それっきり、相手は音さたなしなんですよ。いいかげんに世間がわかってきてもいいですよね」
しかし、T代さんは“幸福を呼ぶ壺”を50万円も出して、また買ってしまった。
「30代後半の男性が、うちの玄関で泣いて頼んだんですよ。これを売らないと、一家離散になるって」
どうして一家離散なのかは、きくと悪いような雰囲気で、きけなかったという。たまりかねたKさんは、貯金通帳の管理を自分ですることに。
「でも、あれは凝りちゃいませんよ。いまだに、“みんないい人だった”といっているんだから」と、深いため息をついている。