最近のテレビではひな壇芸人がいかにして“目立つ”かがその後の仕事につながり、必死だが、それは1980年代もそうだった。お笑い芸人の西川のりお(60)は、80年代、いかに個性豊かな芸人の中で目立つかの秘訣をこう語っていた。(女性セブン1988年6月16日号より)
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“ザ・ぼんち”のおさむだけには負けとうないわ。あいつが大きい声で「おさむちゃんでぇ~す」いうさかい、も~っと大きい声出して話しとったら、音声さんが「大声すぎて、マイクにはいりません!」と怒られたわ。
“めだち”にかけては、もう負けへんで。『オレたちひょうきん族』の撮りのとき、おさむと一緒に出るシーンがあったら大変や。
こないだも、お互いなるべく前に出て大きく映ろうとして、自分がカメラの近くにいようとしたんや。そしたら、あまりにもお互いが前へ前へ出ようとしたんで、やりあってるうちにテレビカメラの前を通りすぎてしもうて、えらいしかられたわ。
みんな、「ギャグでやったんやろ」というとったけど、ギャグでなんかできるかい!ワシラはマジでそうなってしもたんや。あいつとオレの戦いは、ギャグなんかでできるようなもんやないで。死んでも、あいつより、絶対、オレのほうがめだちたい思うとる。きょうも頑張るで。