国内

民主党次期代表 広告代理店に意見求め野田佳彦氏の案出る

新聞・テレビの報道によると、野田佳彦・財務相という目立たない政治家が次期首相最有力で、民主党代表選の焦点は自公との「大連立」だそうだ。だが、見逃してはならないのは、この反国民政権の“火事場泥棒”である。

内閣が代わる際、常に話題に上るのが官房機密費の処理だ。機密費は毎月1億円ずつ現金で官邸の金庫に収められ、内閣交代時には、官房長官が使い切り、金庫を空にして出ていくのが政界の不文律だ。

昨年秋の代表選では、現職総理の菅陣営が多額の機密費を流用して多数派工作やメディア工作を展開したことを以前本誌は報じた。

今回の代表選でも同様に“軍資金”が飛び交っている。現在、官房機密費を握っているのは党内で野田氏と同盟を組む枝野幸男・官房長官や仙谷由人・官房副長官ら凌雲会(前原グループ)である。

菅首相が退陣を明言してからほどなく、民主党の広報戦略にかかわる広告代理店関係者に、官邸スタッフの一人から連絡が入ったという。

「菅総理が辞める前に、いまある機密費を使い切りたい。こちらに有利な世論を喚起できるようないいアイデアを出して欲しい」

機密費の支出権を持つ枝野長官ら官邸中枢が、自分たちに都合がいい新首相をつくるため、メディア工作に機密費を投入する相談だったというのである。

それと軌を一にして、大新聞には連日、「野田本命」の記事が躍り始めた。代表選から小沢氏を排除せよという論調には、ますますエンジンがかかった。

〈菅、小沢両氏に鳩山由紀夫前首相のトロイカは今回、行動を慎むべきだ〉(11日朝日社説)

〈近く刑事裁判の被告席に座る小沢が、新首相決定の主導権を握るとすれば、異常なことである〉(13日毎日『近聞遠見』)

―昨年秋の代表選そっくりの脱小沢キャンペーンが繰り返されている。

その結果、今回の民主党代表選は、「総理大臣を野党が選ぶ――という議院内閣制を逸脱した前代未聞の手続きで進められようとしている。

“本命”の野田氏は自民、公明に「救国連立」を呼びかけた。大メディアも、〈自民、公明両党は民主党代表選候補の政策や公約を見極め、どの候補なら連携できるのか、表明することを検討してはどうか〉(12日読売社説)と、野党が与党の党首を“逆指名”することを提案してバックアップしている。

※週刊ポスト2011年9月2日号

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン