楽天やユニクロが「英語公用語化」を推進するなど、英語力が昨今のビジネスでは必要になってきているが、その能力を身につけているのが帰国子女の方々。だが、1980年代後半、まだそれほど多くはなかった帰国子女の挙動は“鼻につく”とひがみ、やっかみの対象にもなっていたのだという。帰国子女に花形の仕事を奪われた商社勤務の23才女性。当時の怒りの声を紹介しよう。(女性セブン1988年6月16日号より)
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これからは国際化社会だかなんだか知らないけど、今年からうちの商社でも帰国子女の採用を始めたわけ。米国・コネチカットの大学を出たというソイツ。存在そのものがムカつくのよね。やたらオーバーアクションで、消しゴムが落ちただけでも、両手を広げて「OH! MY GOD!」なんてやるわけ。
挙句に、それまで私がやってた仕事、全部もってっちゃったのよぉ。アイツがくるまでは、青山短大出の私は上司や社長クラスの人にすっごくかわいがられて、海外への連絡係は、私の仕事だったのよ。
そりゃあねえ、日常会話で英語使ってたんだから上手でしょうけど、仕事はド素人でしょ。
私はあんなヤツなんかに負けないわよ。入社以来コッソリ、毎日1時間語学センターで勉強してた英会話を、5月からは2時間にして、また、私の仕事をふやしてやるんだから。
おかげで、1か月で英会話のレッスン代に40万スットンで、もう私、意地になってるわよ。