スポーツ

巨人のHRが8月に入って急増したのは節電が影響した可能性

後半戦が始まって以降、湿っていた巨人の打棒が復活した。しかし、一部からは「東京ドームの打球が飛ぶようになった」との声も。あるスポーツ紙記者が興味深い証言をする。

「東京ドームのボールボーイと話したとき、“審判に渡すボールが生温い”といっていました。温かいと飛ぶ、というのは球界では定説ですよ」

ゴルフボールではよくいわれる話だが、理論上は温度が高い方が飛距離は伸びる。これはボールの反発係数(跳ね返りの度合い)が増すためとされるが、野球のボールでも理屈は同じだという。あるスポーツメーカー開発担当者が語る。

「ボールの中心部分は温度に比例して膨張するので、反発係数は高まります。ただし、ゴルフボールほどではありませんが……」

温度を上げることによって、ボールが乾燥している可能性もあるという。東大大学院工学系研究科(航空宇宙工学専攻)の河内啓二・教授は、科学技術振興機構のHPに次のような見解を寄せている。

「昔、米国で相手チームのボールが飛ばないよう、冷蔵庫で冷やしてから使ったチームがある。もちろん違反だが、こうするとボール内部の湿度が上がる。湿気は硬球に使われている毛糸やゴムの反発力(弾性)を落とすため、飛距離は伸びない」

逆にいえば、ボールを温めれば内部の湿度が下がり、反発力が増すという指摘である。この点をドームを運営する(株)東京ドームにぶつけると、

「ボールは連盟が管理しており、通常のドーム内の室温での部屋に置いてあります。温めたり、冷やしたりはしていません」

との説明だったが、夏場の暑さに加えて節電の影響で、ドーム内の気温が上昇しているのは事実。それが、統一球を“飛ぶボール”に変身させている要因なのだろうか。球場関係者はこういう。

「節電の影響でドームの温度はかなり上がっている。自然とボールの温度が上がっている可能性はある」

※週刊ポスト2011年9月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン