昨今引っ越し代金が激安になっているという。きっかけは東日本大震災。
神奈川県在住のAさんが3月に引っ越そうと思っていたところ、震災が発生。急を要する引越しでもなかったため、なんとなく気分がのらずにズルズルと伸ばしに伸ばし、ようやく改めて部屋探しをすべく不動産業者に足を運んだのは、7月も末になってからだった。
すると、業者いわく「今年はそういう人が多いようです」とのこと。そのため、空室がさっぱり埋まらず、震災から3カ月経った6月以降、焦った大家が敷金や礼金をゼロにしたり、フリーレントをつけたりとさまざまなキャンペーン価格を打ち出してきているようなのだ。
そしてAさんもめでたく仲介手数料ゼロ、礼金ゼロ物件を発掘! ウハウハで契約手続きを済ませ、引越し業者の見積をとる準備に。今やすべてはネットの時代、単身のような荷物が少ない人は見積もりだってネット上だけで簡単に比較できるのだ。
一括比較サイトに必要事項を記入すると、Aさんのもとに業者からバンバンメールと電話がやってくる。ちなみに神奈川県横浜市青葉区から東京都渋谷区への引越しで、荷物はベッドと布団、デスク、椅子、大型テレビにダンボール20箱程度。家電類は引越し先で購入のため、移動するものは一切ない。
通常荷物が少ないと、「友達の車で」「レンタカーで」という考えになりがちだが、一度レンタカーを借りて事故り、痛い目にあったAさんはなるべく業者に頼もうと思っていたとのこと。
Aさんがネットでレンタカー料金を検索してみたところ、2トントラックの場合12時間で1万5千円程度だっただめ、業者価格で3万~5万円は覚悟していたというが、実際オファーされた金額は「2万円で」「1万円で」と、レンタカーもびっくりの激安価格だった。
そのなかで、結局最安値だった7500円の業者に決定。これではレンタカーより安いくらいではないか。荷造り用のダンボールはサービスで届けてくれるし、荷物を運んでくれる人もいることを考えると、断然業者のほうが良い。しかも「当日のゴハンに」ということなのか、なぜかデリバリーピザの無料券が…。
このあまりのサービスの良さと安さについて業者は「とにかく仕事が欲しいのです。その日何件かかけもちすることにより、一日の売り上げを増やそうとしています。薄利多売です」と語ったという。