どうすれば投資で1億円を稼ぐことができるのか? 手堅いマネープランのアドバイスで知られる「家計の見直し相談センター」の藤川太氏にその実現性について尋ねてみたところ、「円高局面で大きく外貨が売り込まれている今なら、外貨投資で1億円を稼ぐことは十分可能だ」という。では、どの通貨に投資すればよいのか、以下、藤川氏が解説する。
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一口に外貨といっても、世界中には様々な通貨が存在する。そこでどの通貨を選ぶかが外貨投資をするうえでの最大のポイントとなる。
外貨投資と聞くと、真っ先に米ドルを思い浮かべる人も少なくないと思うが、米国は失業率の悪化などで先行き不安が根強く、円と米ドルは弱い通貨として最下位争いを繰り広げているのが実状だ。米ドルへの投資はトビラの開き方が中途半端であり、一捻りが必要となる。そう考えていくと、投資先の通貨を米ドルに限る必要はまったくないといえるだろう。
そこで目をつけたいのが、少なくとも米ドルより強い通貨である。たとえばインフレ懸念が台頭するなか、依然として高い経済成長率を誇る中国の「人民元」は国際化が多少進んでいるとはいえ、未だ低い水準に置かれたままであり、今後切り上がっていくことは想像に難くない。
あるいは、中国をはじめとする新興国が今後経済発展を遂げていくなかで欠かせない資源という裏付けがある国の通貨も強くなるのは必至だろう。資源大国として名高いカナダやオーストラリアの通貨(カナダドル、オーストラリアドル)はその筆頭だろうし、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)の一角を占め、鉄鉱石などが豊富なブラジルの通貨「レアル」も有望だ。
同じく資源国としてロシアも挙げられるが、どうしても政情不安がつきまとい、すでに人口減社会に突入している。ただ、見方を変えれば、今後国民1人当たりの資源量が増すことで、経済が発展するというシナリオも考えられるため、通貨「ルーブル」にも妙味があるといえるだろう。一方で、資源に加えて世界第4位の人口を誇り、今後も人口増が期待できるインドネシアの「ルピア」なども有力候補に挙げておきたい。
※マネーポスト2011年9月号