1986年に施行された男女雇用機会均等法以降、女性の職場進出は進んできて、いまでは当たり前になった。だが、1980年代後半は、施行からそれほど経っていないこともあってか職場で大卒、短大卒、高卒による待遇の差によるいじめに悩まされていたようだ。その“いじめの実態”を、デパート業界で働く4年制大卒のAさん(25)、短大卒のBさん(24)、高卒のCさん(20)の3人が語っていた。(女性セブン1988年8月25日・9月1日号より)
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Aさん:デパートでいじめられるのは私みたいな4年制の大卒者。
Bさん:ウチのデパートでは2年前から昇格の制度が変わって、大卒者のほうが昇格が早くなったの。そしたらもう古株の高卒社員たちの不満が大変。
Cさん:だって、後からはいってきて、お給料も何年も先輩の人を追い抜いてっちゃうんだもの。そりゃ頭にくるわよ。私の売り場で、休憩時間に先輩たちの席取りに走らされていた人がいたのね。ところが、一度、その人「なんで休憩時間まで、そんなに年も変わらない先輩に気を使わなくちゃいけないの」って、席を取っておかなかったの。そしたら、もう先輩たちが集中攻撃。「新入りのくせに、大卒だと思ってお高くとまってる」
商品搬入のときに、その人が両手で商品を抱えて歩いていたら、足を引っかけて転ばせちゃったんです。商品がドバッと散らばったところに別の先輩がやってきて、「あんた、商品をなんだと思ってんの! お客さまが買っていくものにキズでもついたらどうするの!」って大声で怒鳴ってるの。
Aさん:私の友だちで、口うるさい先輩にいい返したら、私物の置き場から財布を抜き取られて、水のはいったバケツの中に捨てられていた人がいたわ。
Bさん:モノが捨てられるのはよくあるわね。ロッカーなんて、鍵はあってないようなものよ。
私の先輩で毛皮のコートを買って見せびらかしてた人がいたんですけど、そしたらある日、そのコートがゴミ捨て場にゴミと一緒に捨てられていたんです。その人、ワーワー泣いちゃって大変だった。