職場のいじめ問題は今も昔も変わらない悩ましいテーマだ。1980年代のデパートガールたちの“いじめの実態”は、同じ職場の男性社員にも目に余っていたのだという。彼女たちのコワ~イ生態、事情をよく知る3人の男性の告白を紹介しよう。(女性セブン1988年9月15日号より)
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Aさん(33)は都内デパートの婦人服売り場マネージャー。Bさん(25)は、やはり都内デパートの家具売り場に勤務。そして、Cさん(28)は都内服飾メーカーの営業マンとして、いつもデパートガールたちの姿をつぶさに観察している。
Aさん:私は立場上、よく彼女たちの話を聞くんだけど、内容というのは、仲の悪い相手の仕事上のこととか、こっちにとってはどうでもいいことをいってくる。それが両方から持ちかけられるんだ。片方が休みかなんかでいないと、必ずいいにくるね。
Bさん:彼女たちは、本人の前ではけっしてはっきりといわないんです。本人がいると和気あいあいとやってるくせに、いなくなるととたんに、その子の男関係とか、どぎつい話を平気でしてるんだ。
Aさん:売り場で、仲の悪い子のいる前で、わざと私にベタベタと話しかけてくる。“私はマネージャーとツーカーの仲なのよ”ってな具合に、相手に見せつけてるみたいだな。
ときどき、この子は誘えばホテルにでもついてきそうだな、なんて感じることもありますよ。
Bさん:実際、男性社員の間で、けっこう“兄弟”はいるみたいだね。
Aさん:見栄の張り合いがいじめに発展していくことが、けっこう多いんですよ。
退社のとき、よく彼氏が迎えにきてるんだけど、カッコいい彼氏がいる子は、彼氏と落ち合ってもなかなか立ち去らないんだ。みんなが出てくる間、ぐるりとひとまわりして、その彼氏を見せびらかしてから、おもむろに手をつないだりしてどこかに消えて行く。そんな子がいじめられているね。
Cさん:ボクの知っている子も、デート用に着てきたワンピースに、3センチぐらいのカギ裂きをカミソリで何か所もやられたっていってた。ロッカーに掛けてあったらしいんだけどね。
その子が「これなによ~」って騒いだら、先輩たちが「あなたが着てきたときからそうなってたわよ」っていうんだって。
Bさん:それと似てるけど、おニューのテカテカのブーツをはいてきたんだって。そしたら、カミソリみたいなものでズタズタに切られちゃったらしいよ。
Cさん:ロッカーに使用済みのタンポンが投げ捨てられてた、なんてことも聞いたことがあるなぁ。
Bさん:靴の中に、掃除のときに出てきた大きなゴキブリの死骸がはいっていたなんて話も聞いた。