千葉県柏市で発覚した、2才10か月男児の虐待餓死事件。被害者となった小坂蒼志ちゃんの死亡から2か月半たった8月9日、父親の小坂雄造容疑者(39)と母親の里美容疑者(27)が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された。
蒼志ちゃんは5月26日午前、里美容疑者の「子供が呼吸をしていない」という119番通報で救急車で病院に搬送されたが、午後5時に死亡が確認された。死因は栄養失調による餓死。このとき身長は約74cm、体重は5.8kg。2才10か月の男児の平均体重である13kgの半分以下しかなかった。
夫婦は数百万円の借金を抱え、里美容疑者は生活が苦しかったことがネグレクトの原因だと供述している。だが、この事件ではこんな不可解な点が浮かび上がっている。
小坂夫婦は5人家族。亡くなった蒼志ちゃんのほかに、小学1年生の長女、5才の次女がいた。両親の逮捕に伴い保護された次女も栄養失調状態で、平均的な5才児より10kgも軽い8kgしかなかった。その一方で、小学1年生の長女は健康状態もよく、学校にも元気に通っていたという。同じマンションの住民の話。
「長女と夫妻の3人しか見かけたことがなかったので、実は事件があるまで(小坂一家は)3人家族だと思っていたんです。夫妻はすれ違ったときには挨拶されますし、礼儀正しい人たちでした。お姉ちゃんもきちんと挨拶のできる子でした」
“家族3人”でワンボックスカーで出かける姿がよく目撃されており、マンションでは「ひとり娘をとてもかわいがっている夫婦」と見られていたという。
※女性セブン2011年9月8日号