1980年代後半、米証券会社ソロモン・ブラザーズに入社し、同社の高収益部門の一員として活躍し、巨額の報酬を得た後に退社した赤城盾氏。民主党代表選を経ていよいよ菅政権も終焉を迎えるが、同氏は、菅政権が生んだ政治の混迷が、日本経済に大きなマイナス影響を与えていると指摘している。
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悪い時には悪いことが重なる。原発事故で電力不足に苦しむ今夏の東京は、梅雨も明けないうちから真夏のような暑さが続き、夏の終わりまで猛暑が続く気配が濃厚である。
某外資系証券会社では、オフィスが入居しているビル全館のエアコンの温度設定が上げられてしまって、とても仕事にならないほどの暑さだと聞いた。福島第一原発から放射能が漏れ続ける上に真夏のオフィスにエアコンが効かせられないとなれば、まともな外国人は東京からいなくなってしまうであろう。
しかも、菅直人総理が人気取りの思いつきで何らの法的根拠もなく浜岡原発を停止させてしまった煽りで、電力不足の問題は日本中に広がってしまっている。
被災者支援、被災地復興の手立てが一向に進まない中、6月初頭、大量の造反が出て内閣不信任案の可決は免れないと見るや、菅総理は、民主党設立以来の同志というべき鳩山前総理に嘘をついて延命を図った。
その後は、子どもの言い訳のような詭弁を弄して総理の座に居直り続けている。伸子夫人に至っては、「これまでの首相がいとも簡単にやめてしまったことのほうが不思議だ」と放言したという。なんとも恐るべき強欲夫婦に日本は乗っ取られてしまった。
未開国と新興国の境目は、法の支配とインフラの整備から始まる。その2つの条件が備わらなければ、企業は経営計画を立てられず、国は経済成長に必要な投資を集めることができない。菅総理は、世界第3位の経済大国の日本を、時の権力者の気まぐれな思いつきで工場の操業が止められてしまうような未開の状況に貶めてしまったのである。
※マネーポスト2011年9月号