8月9日に事実婚の夫、アパレルメーカー『リンク・セオリー・ジャパン』社長・佐々木力さん(享年60)をスキルス性胃がんで亡くした萬田久子(53)。8月14日に営まれた佐々木さんの通夜では、看病疲れからかげっそりと痩せ細り、憔悴しきった彼女だったが、近所住民からの反対でストップしたままの建設中の家の工事や遺産相続など問題は山積みだ。
佐々木さんの遺した総資産は200億円といわれるが、ここで問題となってくるのが、佐々木さんが生前、萬田とは別の女性・A子さん(41)との間にもうけた2才になる女児の存在だ。つまり佐々木さんには、前妻との間に生まれた3人の子供、萬田の長男だけではなく、さらにA子さんの子供と、5人の子供が存在し、この5人が相続人となる。
遺言がない場合、法的には内縁の妻である萬田には相続権はなく、25年連れ添った萬田といえど、1円たりとも遺産を受け取る権利はない。相続人となるのは5人の子供たちのみで、その配分について、相続問題に詳しい堀鉄平弁護士がこう説明する。
「A子さんの娘さんと萬田さんの長男はともに非嫡出子で、相続分は嫡出子(本妻の子)の半分。前妻の3人の子供が4分の1ずつで、萬田さんの長男とA子さんの子はその半分、つまりそれぞれ8分の1となります」
仮に佐々木さんの遺言があった場合はどうなるか。「萬田に遺産をすべて委ねる」という内容だったとしても、そのまますんなりすべてを受け取れるわけではない。相続人が主張すれば、遺産分割協議を経て、法定相続分の半分を得ることができるからだ。例えば、前妻の子のひとりが遺留分を主張すれば、法定権利の半分、8分の1は受け取ることができるのだ。
しかし、A子さんの娘はまだ2才。未成年なので、当然、親権者であるA子さんが法定代理人となる。分割協議にはいった場合は、弁護士を立てたとしても、萬田はA子さんと話し合いをもつ必要が出てくる。
※女性セブン2011年9月8日号