民主党のマニフェストの軸ともいわれていた子ども手当だが、開始からたったの1年半で廃止されることが決定した。「いったい何だったの?」と思う人も少なくないだろうが、月1万3000円の子ども手当は、どのように使われ、どれほど家計を助けてきたのだろうか。
「子供を塾に通わせることができました」と話すのは、静岡県在住のAさん(48才)。塾に限らず、取材した母親の中には「長男が野球教室へ通えるようになった」(愛知県在住・39才主婦)「長女にピアノを習わせた」(大阪府在住・34才パート)など、習い事を始めたという声も多かった。
一方、受験をまだ先に控える小学生以下の子供がいる家庭では、「子供の将来のために全額貯金した」という母親が多かった。東京都に住むBさん(34才)は、自営業の夫と10才の長女の3人暮らし。
「いまのところ家計に困っているわけではありませんので、全額貯金しました。こんな不況の時代でいつ収入が減るかもわかりませんし、そうなったときに子供たちに充分な教育を受けさせてやることができるのかと不安になって。お金はちょっとでも無駄にせず、貯めておかなくてはいけないと考えています」(Bさん)
Bさんの長女名義の預金通帳には現在、「19万5000円」と刻まれている。ただし、なかには「5才の息子のために毎月1万3000円を払い込む学資保険にはいってしまいました。(児童手当への変更にともない、支給額が減って)足りなくなる3000円を、あと13年間も払い続けられるか心配です」(兵庫県・34才主婦)というようなケースもあるのだが…。
ほかにも、子ども手当の使い道はたくさんあった。
「旅行費用にあてました。2人子供がいて、子ども手当で4か月に一度、10万円くらいはいるんですね。一家4人で出かけるのにちょうどいい金額。子供にもたまにはいい思いさせてあげたいですからね」(東京都・44才パート)
「生活費の口座に入れていたので、はっきり何のためというのはわかりません。でも子供には部活だ、修学旅行だ、とお金がかかっているので助かりましたよ」(富山県・43才主婦)
当たり前のことではあるが、多くの家庭で、子ども手当が子供のために使われていたことを改めて認識させられる。
※女性セブン2011年9月8日号