菅直人代表の後継を決める民主党の代表選挙。候補者が乱立した本命なき代表選の帰趨は、結局、小沢一郎・元代表の動向が決め手になった。「刑事被告人」と呼んで小沢氏を排除した候補者たちは、こぞって「挙党態勢」を掲げて小沢氏と会談し、支持を取り付けようとした。
そうした動きの中で、小沢氏はごく一部の側近にこうも打ち明けた。「今回は政経塾では無理だな」――。
民主党政権下で綺羅星の如く出世を遂げたのが、松下政経塾出身の議員たちだ。出世頭の前原誠司・前外相、野田佳彦・財務相、玄葉光一郎・国家戦略相、原口一博・前総務相ら「代表候補」に名前が挙がった閣僚経験者4人をはじめ、福山哲郎・官房副長官など衆参合わせて28人を輩出している(自民党議員を合わせると、政経塾OBは総勢38人)。
「カネ」や「オンナ」で失敗するのが、この集団の“伝統”だ。
前原氏はマル暴献金以外にも秘書給与上納疑惑など政治資金問題は枚挙に暇がないし、野田氏も前原氏と同じ企業グループからの献金が問題化するなど一蓮托生だ。玄葉氏も地元の談合事件で指名停止を受けたゼネコンから限度額を超える200万円の献金(パーティ券購入)を受け、政治資金収支報告書に記載していなかったが、発覚すると返金して平気な顔だ。
横浜市長時代に合コンで名を馳せた中田宏氏や、愛人報道で世間を賑わせた山田宏・元杉並区長など、政経塾出身者には艶福家も多い。親しい大臣の紹介で陳情に来た経営者に、「あの大臣は体はでかいが肝っ玉とナニは小さい」と言い放った女性政治家の永田町男性遍歴は政界の語り草となっている
※週刊ポスト2011年9月9日号