ここ数年の間で、国内の個人トレーダーに普及し始めたFX(外国為替証拠金取引)のシステムトレード。この8月から新レバレッジ規制がスタートしたことで、その注目度は一段と上昇している。そこで、マネーポスト編集部と矢野経済研究所が、FXトレーダーにシステムトレードの利用動向を緊急調査。その結果をリポートする。
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なぜ、レバレッジ上限が規制されると、自動売買によるシステムトレード(以下、シストレ)が注目されるのか?
レバレッジが低くなると、証拠金を増やさない限り、一度のトレードで大きな利益を得ることは難しくなる。大きな利益を得るためには、トレード時間を長くして、トレード回数を増やさなければならない。
しかし、仕事から帰宅してからの1~2時間しかトレードができない、という人にはトレード回数におのずと限界があろう。そこで、四六時中PCの前にいなくても、選んだ売買プログラムに沿って自動的にトレードができるシストレの出番、となるわけだ。
今回はFXトレーダー、8000人を対象とし、シストレの利用動向を調査した(有効回答数:1623件、内システムトレード利用者:479人、システムトレード未利用者:1144人、調査方法:2011年6月17日~20日)。シストレ未利用者とシステムトレーダーに分けているので、これからシストレに挑戦しようと考えている未経験者や、他のシステムトレーダーの考えていることが知りたい経験者にとって、非常に有益な情報となるだろう。
すべてFXトレーダーである有効回答数1623件のうち、システムトレードの未利用者は1144名(全体の70.5%)。未利用者のうちで、これまでシストレについて調べたり、デモ口座を使った経験があるトレーダーは27.4%。シストレに興味があるにもかかわらず、利用しなかった理由は、「シストレの信用性の低さ」がトップの37.1%で、「使いたいシストレのプログラムがない」が29.7%で続いた。取引歴の浅い人ほど利用意向が強い
一方、この未利用者のうちで、今後シストレを始めたいと考えている人は380名、33.2%にのぼっている。その利用意向がある人のFX取引経験を見ると、取引歴半年未満が50.5%と最も多く、投資経験が長くなるにつれて割合が減り、5年以上の取引歴があるトレーダーの場合は、27.5%となっている。
未利用者の中でシストレの利用意向がある人(380名)を対象として、今後の最も利用したいシストレを聞くと、トップは「メタトレーダー(MT)」で、その割合は21.1%となった。
さらに、今後最も利用したいシストレの提供会社は? という質問には、フォレックス・ドットコムジャパンと回答した人がいちばん多く32.6%にのぼり、僅差で、ひまわり証券(30.0%)、FXCMジャパン(25.3%)が続いた。
※マネーポスト2011年9月号