新興国といえば、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)4か国がすぐに思い浮かぶが、まだ注目度の低い「ネオ新興国」にいち早く目をつければ、投資で大儲けすることだって夢ではない。勃興著しいアジア・フロンティア市場4か国の注目ポイントと投資方法を、新興国投資のカリスマとして知られるグローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が解説する。
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●インドネシア
【概要・注目ポイント】
鉄鉱石や天然ガス、原油などの資源が豊富で、人口は2億3800万人(2010年)と米国に次ぐ世界第4位。人口増加のスピードも早いため、今後の労働力への期待も高く、「資源国」+「世界の工場」という2つのメリットが期待される。
【投資方法】
アイザワ証券で個別株の取引が可能。証券各社で「インドネシア株ファンド」を扱い、米国上場のETF『iシェアーズ MSCI インドネシア・インベスタブル・マーケット・インデックス・ファンド(EIDO)』もSBI証券や楽天証券などで扱う。
●モンゴル
【概要・注目ポイント】
人口は278万人(2010年)と少ないが、日本の約4倍の国土には世界最大級の未開発金・銅鉱山がある他、銅や石炭、レアアースなど80種類にも及ぶ鉱物資源が眠っているとされる。インフラ整備はもちろん、産業の発展も課題。
【投資方法】
株価指数が2009年末から2011年2月までに5倍以上に急騰したが、現在は調整中。日本から投資する場合、現地の証券会社に口座を開設する必要がある。現時点では、モンゴル株を組み入れた投資信託も日本の証券会社では扱っていない。
●サウジアラビア
【概要・注目ポイント】
世界最大の産油国で「中東の盟主」として名高い。シティバンクの予想では「2050年までにサウジアラビアの1人当たりGDPは中東諸国で1位、世界でも6位に躍進する」とされており、非石油セクターの成長が今後のカギを握る。
【投資方法】
サウジアラビアの株式市場で機関投資家を含む海外投資家が取引することは現時点で認められていないが、ここにきて外国人投資家に門戸を開放する動きが目立ち始めている。日本にも一部組み入れた「中東株ファンド」はあるが、比率は低い。
●バングラデシュ
【概要・注目ポイント】
日本の4割程度の国土に1億4660万人(2009年)が住む世界一人口密度の高い国として有名。伝統的に繊維産業などの軽工業に強く、「ユニクロ」が進出したように、今後「世界の工場」となり得る可能性を秘めている。
【投資方法】
昨年ダッカ株式市場が急騰したが、現地の証券会社で口座を開く以外、日本からの直接投資はできない。また現時点でバングラデシュ株を一部含むアジア株ファンドはあるが、単体で運用する投資信託はない。
※マネーポスト2011年9月号