子ども手当が廃止されることが決まり、今後、家計はさらなる負担増に襲われそうだ。というのも、現在、国の財政は破綻寸前といわれているのだ。財政問題に詳しい東京福祉大学大学院教授の水谷研治さんが警告する。
「いま日本の国家予算は約80兆円ですが、収入にあたる税金は40兆円しかありません。つまり、半分は借金して賄い子供や孫の世代に回しているんです」
財務省の発表によると、積み上がった「国債」(=国の借金)は過去最大の924兆3596円に達する。現在の税収の23年分で、国民ひとり当たりに換算すると722万円になる。仮に金利が1%とすると、借金の利息を返すだけでも年間9兆円という莫大な支払いになる。さらに高齢社会の進行で、医療、介護、年金といった社会保障費が年間1兆円ずつ増えていく。
「これらの借金は増税で返すしか道はありません。所得税や法人税より安定して公平な消費税で納めざるを得ないでしょう。私の試算では、すべての借金を返すには消費税を63%にする必要があります。そこまでいかずとも、いずれ大増税はまぬがれないでしょう」(水谷教授)
すでに目の前の問題として、震災復興に必要とされる13兆円が、増税によって賄われることが決まっている。10年間の期間限定とされるものの、そのために早ければ来年から所得税率が5~10%程度上がり、一般家庭にとって数万円の増税になる。
水谷教授がいう借金返済はさらにその先の話であり、つまり、家計にとってはこれから大増税の時代がやってくるのだ。
※女性セブン2011年9月8日号