夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、衣料メーカー勤務のご主人(45歳)。奥様(42歳)には7歳年下のキレイな妹さんがいるそうです。
* * *
浮気なんてする甲斐性のない僕ですが、楽しく空想するのは自由。それは、義妹との再婚です。
3年前、妻が病気で1か月ほど入院したんですが、義妹はエアロビのインストラクターの仕事を休み、ずっと看病してくれました。合間には家に来て、食事の世話や僕と息子の下着の洗濯も。それで「もし、女房に万が一のことがあったら、『お姉さん、安心して。お義兄さんたちは私が面倒見るから』っていってくれるかも」と思ったんです。
それ以来、「近所の奥さんは『今度の奥様ってすごくキレイ』と驚くだろうな」とか「今の和室の寝室は洋風にしよう」などと、再婚生活をシミュレーションしてきました。僕の心の中の隠し事。ああ、それが……。
ある日、義妹が結婚報告に来たんです。僕は晩酌でほろ酔い状態だったこともあり、思わず「ダメだよ! 僕と結婚するんだろ!」と叫んでしまいました。
さあ、それからが大変です。妻が「アナタたち、そんな関係だったの!?」と義妹を睨みつけ、義妹は「冗談じゃないわよ、誰が義兄さんなんかと!」といい返します。2人から問い詰められ、僕は自分の空想を白状しました。すると、義妹は「お姉さんを死なせちゃうなんてサイテー!」と怒り、妻は「呆れ果てたわ!」。以来、妻には口をきいてもらえませんし、義妹の結婚式も僕だけ招待されませんでした。
※週刊ポスト2011年9月9日号