突発的、局地的に大雨や雷が発生する“ゲリラ雷雨”。ゲリラ豪雨とも呼ばれるこの現象が今年は特に多く発生しており、昨年の3割増という予測も出されている。クルマの運転中に遭遇した場合は、深刻な事故につながる危険性も高い。「普段の雨なら問題なくても、一気に水が溢れるゲリラ雷雨の際に危険なのがクルマ」と、モータージャーナリストの松下宏氏は警告する。
「鉄道や道路をくぐる“アンダーパス”は水が溜まりやすく、川や田の近くではどこまでが道路か判別がつかない場合もあるので、水の濁りなどから水深を見極め低速で運転する必要があります。
吸気系統に水が浸入するとエンジンは停止してしまうので、動けなくなった場合はエンジン停止前に速やかに窓を開けて脱出したい。水没すると外からの水圧によって手でドアを開けるのは困難なので、シートベルトカッター付き脱出用ハンマーを常備するのもいいでしょう」
また、高速走行時に最も危険なのは、タイヤと路面の間にできる水膜によってブレーキもハンドル操作も利かなくなり、重大事故につながることもある『ハイドロプレーニング現象』だ。
「ハイドロプレーニング現象は、速度・タイヤ・水の状態によって発生。未然に防ぐには溝の浅くなったタイヤは使用せず、急発進・急ブレーキを避ける。万一、発生してしまったら、しっかりとハンドルを握って、停止するまでブレーキを踏み込み続けてください」(松下氏)
※週刊ポスト2011年9月9日号