白澤卓二氏は1958年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。アンチエイジングの第一人者として著書やテレビ出演も多い白澤氏によると、長寿とセックスは、深く関係しているという。以下、白澤氏による解説だ。
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105歳の誕生日に、「長生きの秘訣はセックスをしなかったこと。私はバージンよ」と地元紙に語ったのは、英国コーンウォールの老人ホームに暮らすクララ・ミードモアさん。
「とにかく働かなきゃいけなかったし、好きな人はいたけどセックスには関心がなく、ただ煩わしかった」
このクララさんとよく似ているのが、日本の10~20代の男たち。厚生労働省の調査によれば、性交渉を嫌う層が、ここ2年で倍増している。同調査は「性に関する意識や行動」をテーマに2年ごとに実施。2010年は、無作為抽出の16~49歳の男女、1540人が回答した。
「性交渉に関心がない」か「嫌悪」する層は増加傾向で男性17.7%、女性48.4%。特に16~19歳男性では36.1%(前回17.5%)、20~24歳男性では21.5%(同11.8%)と倍増して、「草食化」を裏付けている。
性欲は、無料のアダルトサイトなどで手軽に解消しているようだ。未婚率も上がる一方。既婚者も同じで「1カ月間性交渉をしていない」人が2004年調査の31.9%から増え続け、2010年は40.8%。理由は、男性は「仕事疲れ」「出産後何となく」、女性は「面倒くさい」など。狭い日本に、セックスレス症候群が拡大している。
※週刊ポスト2011年9月9日号