<ラッキーセブンの5>という条件反射的ないい間違え、エレベーターのボタンを<「ワン・ツー」と言いながら連打する!>という元ボクサーの習性、ゴルフに行く途中に大事故に遭いながら<身体は無傷だったため、ゴルフにそのまま行った。その日のスコアは……自己最高! 事故の衝撃で痛めていた頚椎も治っていた>なんて超人的なエピソード――。
そんな“都市伝説化”している珍行動を解説した本書を手にとり、「いや~、おもしろいよなぁ~」と噴き出している男性こそ、その著者、具志堅用高(56)。
肌もツヤツヤで動作も軽やか、小花柄のシャツを颯爽と着こなす姿はとても“アラ還”には見えない。優しい語り口で絶妙に繰り出されるトンデモ発言。その唯一無二な存在が愛され、いまやバラエティーでも引っ張りだこだ。現在、月に30~40本の番組収録をこなす。
“カンムリワシ”と恐れられていた元ボクシング世界王者だが、バラエティーでいじられ、ブレイクするとは。
「ぼくは空気読めるからできるんですよねえ。計算? いや、計算じゃないですよ。でもボクシングと同じで“いまいかないと”っていう瞬間がわかる(笑い)。もちろん苦手だなって思うこともあるけど、昔は途中でやめていたことをいまは最後までやってる。それがおもしろいんだよね。最後まで諦めない。どっかでいける(自分のキャラクターがいかせる)かなってやり通すんだよね」
プライベートではおちゃめでも、仕事となれば真っ向勝負。そんな彼のスタイルに惹かれる若手も少なくない。
「最近では沖縄の後輩、ガレッジセールのゴリとか、DA PUMPのISSA、山田親太朗とかとご飯食べたね。“キンキ”もいたね。ん? キャン×キャンだったかな」
若手芸人にいじられても「いろんなスタイルがあっていいと思うんだよね」とニコニコ。家族からダメ出しはされないのだろうか?
「かあちゃん(妻)からは“人の話に割り込んで話さないように”とか、“股を広げないで”とか、“背筋を伸ばして”といわれるくらい。“うるせえ”っていってやるんだけど、翌日にはぼく忘れちゃうから(笑い)。服装もかあちゃんがコーディネートしてくれてるんだ」
【『ふかぁ~い具志堅用高のはなし』(ぶんか社/1000円(税込み)】 「このジーンズ、シロクロで買った(ただしくはユニクロ)」「ラッキーナンバーの赤」など、“具志堅伝説”ともいわれる珍妙発言&エピソードの真偽を本人が解説。またWBA世界ジュニアフライ級王者13連続防衛を含む15戦を秘蔵写真とともに紹介。おちゃめで優しい性格、家族の絆、強くてかっこいいチャンピオン当時の姿まで、具志堅のふかぁ~い部分まで知ることのできる一冊。
※女性セブン2011年9月15日号