芸能

津川雅彦 フジTVの番組で東京新聞の編集長と電話で生バトルも

 兄・長門裕之(享年77)と弟・津川雅彦(71)は、不思議な兄弟仲を見せ続けた。長門さんが亡くなって3か月、めったにインタビューを受けないことで知られる津川氏が、長門さんのラストインタビューを行なった吉田豪氏を聞き手に、兄弟の秘話を語った。ここでは、津川氏のマスコミ不信についてのエピソードを紹介する。

 * * *
――もともと誘拐によってマスコミ不信になったっていう噂は聞いてたんですけど……。

津川:いや、マスコミ不信は今さ。誘拐のときは全マスコミが誘拐報道協定を初めて結んで、捜査に協力してくれたし。東京新聞の歪んだ論評を正そうとフジテレビが番組で取り上げて応援してくれた。

――新聞が「自業自得」と津川さんを叩いたんですよね?

津川:それが東京新聞さ。「役者は生まれた子を自分の宣伝のために利用するバカが多いから誘拐される」(※:記事下段に解説あり)とね。ジャーナリストの本分を失い商売のために読者に媚びよった。嫉妬深い読者は「役者を叩けば喜ぶ」。これがマスコミの営業方針なんだとわかったね。それにしても東京新聞の編集長は許せなかった。

――闘ったんですか!

津川:フジテレビの番組でね。スタジオから生中継で東京新聞との電話の模様を中継してくれた。編集長に「新聞は公器だ。誘拐なんて凶悪犯罪は二度と起こらないよう書くのが君たちの務めだろう?

『悪いのは親だ』っていって、犯人予備軍達が『役者の子』なら許されると、懲りずにやったらどう責任とるんだ。役者がアホなのは反論しない。アホだから役者やってんだよ! でも、娘には何の罪もない。下衆な役者の子だから誘拐されて良いって法はない!! ジャーナリストとして恥を知れ」ってね。

 編集長は鈍愚に「私は正しい」の一点張りさ。可哀想に謝ったら首だからね。「君は今後、津川雅彦の顔を見る度に、良心が苛まれるぞ」って言ってやったが、翌日1ページ全部読書欄で誘拐特集さ。読者の90%が「役者の子は誘拐されて当然」とアピールしてた。僕の報復措置は、東京新聞読まなくなっただけ。むなしいね。

――そこでそうやって新聞と闘えるのも強いですよ。

津川:良い時代だったんだな。今のジャーナリストは完璧にサラリーマン化しちゃった。今では読者欄の捏造はもちろん、視聴率、支持率も好感度もいい加減。大河(『葵 徳川三代』)で家康を演じたとき、読売新聞の投書欄に「津川が家康を演じながら、さかんに唾を吐いてる。食事時には、いかがなものか」ってのが載った。

 NHKは尻の穴小さいから「やめていただけませんか?」って、「爪を噛んで、懐紙に吐くのは史実にある家康の癖だ。脚本家も書いてる」って怒ったら「ウチで書きませんか?」って朝日が言ってくれて。「読売さん!! あれは唾じゃない。家康の史実にもある爪だ。無料といえどもドラマはちゃんと観なさい。更に食事しながらテレビを観るな。行儀が悪い!」って(笑)。

――ダハハハハ! そこから否定なんですか(笑)。

※1974年、津川・朝丘夫妻宅2階から当時生後5か月の長女が誘拐され、身代金500万円が要求された事件。犯人は身代金の受け渡しに銀行のATMを利用、引き出しているところを身柄確保された。

※週刊ポスト2011年9月9日号

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン