あれよあれよという間に野田佳彦氏が第95代首相の座に就いたが、この展開に頭を抱えたのが、前原誠司氏の出馬表明や小沢一郎氏の海江田万里氏支持で「野田は消えた」と書き連ねていた大メディアだ。全国紙記者は苦笑いする。
「まさか野田が勝つとは思っていなかっただけに、当選理由の後付けに苦労した。いろいろ考えたが、“演説が良かった”ことにするしかなかった。かなり苦しい理屈だが、幸いにも野田氏の駅前演説のエピソードがあったので格好がついた」
ドジョウも雪だるまも、こうして“名演説”に化けたのだ。
※週刊ポスト2011年9月16・23日号