昭和天皇はお酒を召し上がらなかったことで知られるが、今上天皇のご学友の橋本明氏によると、「陛下も、お酒をたしなまれるようになったのは、美智子さまとの結婚以降です。今は一通りのお酒は召し上がります」
では、どんなお酒をお好みになるのか。学習院大学からの同期生である島村宜伸・元文部大臣はこう語る。
「昭和50年代のこと。友人数名と東宮御所にお招き頂いた際、妃殿下が『カティサーク』の一番安ランクのものを召し上がられておられるので、侍従にその理由を尋ねると『殿下がウイスキーを辛いとおっしゃって』と。あまり好まれないので、あり合わせのものを飲まれていたわけです。
そこで日本人が開発した、世界に誇れるウイスキーを次回お持ちしますと申し上げて次の機会に持参致しました」
持参したのはサントリーの『ザ・ウイスキー』。
「あの時の殿下の表情がいまだに忘れられません。最初はしぶしぶお飲みになったのですが、『なるほど辛くない……』と結局、大きめのウイスキーグラスで2杯召し上がり、少し遅れて見えた妃殿下に『美智子、これはおいしいよ』とニッコリ。妃殿下には珍しく、『まさか!』と驚いたように声を上げられたのがとても印象的でした。そして美智子妃殿下も2杯、美味しそうに召し上がりました」(島村氏)
※週刊ポスト2011年9月16・23日号