最新刊『ゴーマニズム宣言SPECIAL国防論』が話題の漫画家・小林よしのり氏が、新著をもとに、真の保守を見分ける質問を用意した。回答次第で、その人物が真の保守かエセ保守かを見極められるという。小林氏が用意した質問は「『アメリカはトモダチではない』といえるか?」というもの。氏は、この質問の意図をこう解説する。
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米軍が2万人の兵を投入して災害支援した「トモダチ作戦」は、確かに被災地の人々に感謝されたし、わしも人と人との関係においては感謝する。だが、私的な感情を国家レベルに持ち込むわけにはいかない。
親米知識人らは、「アメリカありがとう 友情と同盟のあかし」と書かれた「トモダチ作戦」への感謝広告を新聞に載せたが、アメリカへの感謝を日本人向けの新聞に出すなど、過剰な「ポチ」の媚態でしかない。「アメリカさんをありがたがれ!」とでもいいたいのか。
わしにはこの広告が、原爆の慰霊碑文にある「過ちは繰返しませぬから」という主語のない文章と一対に見える。親米保守のトモダチ史観とサヨクの自虐史観は、「アメリカに対する憎悪の忘却」という一点で同質なのだ。
かつてアメリカが原爆を落としたこと、震災後トモダチ作戦の陰で、米軍の「思いやり予算」約1880億円を今後5年間負担することが決まったことを、日本人は忘れてはならない。
※週刊ポスト2011年9月16・23日号