暴力団関係者との交際を理由に芸能界を引退した島田紳助(55)が、“テレビ界の寵児”のようにいわれるようになったのは、『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ系)の出演者たちが次々に大ブレイクし始めたころ。それとともに、紳助はこのころから“暴君”ぶりを見せ始めたという。そして、紳助の逆鱗に触れるケースとしてまず多かったのが、共演者たちの挨拶だ。
『ヘキサゴン』の収録は隔週で行われ、1日で2週間分2本の収録をする。収録当日、出演者と番組スタッフは、何より先に紳助がスタジオにはいる時間を確認する。
紳助は毎回マネジャーと一緒にタクシーでテレビ局に乗りつける。番組の責任者でもあるプロデューサーやディレクターは、紳助の事務所スタッフと連絡を取り合い、到着時間の見当をつけ、局の車寄せでひたすら到着を待つのが“掟”となっている。
いつもTシャツにジーンズ、キャップやサングラスというラフなスタイルでやってくる紳助は、そのままエレベーターで2階まで行き、エレベーターを降りた先の通路を使ってさっと楽屋へはいる。入り時間は、全メンバーが知っているので、足音や扉の開閉音に、みんなそれぞれ自分の楽屋から耳をそばだてる。『ヘキサゴン』の出演者全員が、本番以上に緊迫する時間だ。
紳助の楽屋から遠くの楽屋にいる若い出演者の場合は、マネジャーを“見張り”に立たせたりすることもあるという。
「はいった?」「はいった、はいった」「いま行って大丈夫かな?」「はよ、行こう」――
そんな囁き声がフロアに飛び交うのだが、携帯を手にして誰かと話し始めるマネジャーもいる。小島よしお(30)やアンガールズら、違うフロアにある大部屋が楽屋となっているタレントのマネジャーと話しているのだ。挨拶が遅れたり、本番までにできなかったことで、現場の空気が悪くなったり、収録ができなくなったりするのは、みんなが避けたいこと。所属事務所が異なっても、一致団結する。紳助の入り時間前後、その“ホットライン”は常につながっているのだ。
そうして、紳助の楽屋前にどんどん行列ができていく。部屋の中では、プロデューサーやディレクターら局のスタッフと番組の打ち合わせが始まっているから、決して邪魔にならないよう、タイミングを見計らって要領よく挨拶しなければならない。
「今日はよろしくお願いします」のひと言で終わる人もいれば、「お前、この前は~」と説教が始まったりして長話になる人もいる。紳助に特別かわいがられていた上地や山田親太朗(25)は、そのまま長居することもある。人によっては5~10分以上も行列に並ぶこともあった。
特に『ヘキサゴン』の視聴率がピークのときは、これらメンバーのほか、同局にいる他のタレントやそのマネジャーが、番組に出演させてもらうべく、挨拶に訪れたりもしていたので、廊下はとんでもない行列ができ、先を急ぐ人は迂回しなければならないほどだった。
※女性セブン2011年9月22日号