夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、ご主人(53歳)が家具メーカー勤務の奥様(50歳)。普通は先方に電話をかけてのクレームですが、ご主人の場合は逆なんだそうです。
* * *
日曜日って、新築マンションとか保険の勧誘の電話がかかってきますよね。「待ってました」とばかりに受話器を取るのが主人です。最初は相手に話を合わせるから、向こうも「これは脈あり」と思うようです。
ところが、主人ときたら「3LDKのお買い得はともかく、キミは最近の政治をどう思う?」と、セールスとは全く関係のない話題に。相手が「さあ……」と答えると、「キミは何歳だ? 僕がキミの年代の頃はねえ」と、説教が始まるんです。相手がたまらず電話を切ると、時計を見て「通話時間1時間20分か。若い奴にしてはよく持ちこたえたな」とニンマリ。
次にかかってきた電話をまた取ろうとするので、私が取ると、再びセールスの電話。断わろうとすると、主人が横に来て、大声で「この家の主人は話を聞く気十分だよ!」。先方に「すみません、ご主人に代わっていただけますか?」といわれましたが、さァ、どこまで耐えられるかしら?
※週刊ポスト2011年9月16・23日号