2002年にオンエアされ、またたくまに日本で人気となった韓国ドラマ『冬のソナタ』(日本では2003年に放送)だが、同作の主演俳優であるペ・ヨンジュン(39)の元祖追っかけ・主婦の藤木さん(神奈川在住・66才・仮名)は当時をこう振り返る。
「あのころの日本は、韓国という国に馴染みもなく、ドラマだって見る人はほとんどいなかった」
いまでこそ、街のレンタルビデオショップやCDショップには韓流ドラマや映画のDVDやK-POPスターのCDなどが所狭しと並んでおり、大好きなスターの作品にいつでも触れることができる。
しかし9年前は違った。韓流モノは、せいぜい東京・新大久保でしか手に入れることができなかったし、情報量もずっと少なかった。
それが『冬ソナ』後、ヨン様の他、イ・ビョンホン(41)、チャン・ドンゴン(39)、ウォンビン(33)ら韓流四天王がブームを牽引。その後は『宮廷女官チャングムの誓い』など韓流ドラマが韓流ファンを定着させていた。さらに2005年、東方神起がデビューし、K-POP人気の礎を築き、韓国のスターが次々に日本上陸を果たした。
前出の藤木さんが語る。
「9年経って、いまでは、テレビをつければ韓流ドラマをやっているし、街を歩けばK-POPが流れている。昔は在日のかたとの結婚は隠したり、反対されたりもしたけど、娘に聞いたら、いまじゃ、韓カレ(韓国人の彼氏)がブームになっているっていうじゃない。それってぜ~んぶ、ヨン様のおかげでしょ? 彼が、韓流への入り口をつくってくれたんだから。
私がBIGBANGやSUPER JUNIORのライブで娘と一緒になって絶叫できるのも、彼らを通して、うんと年の若いお友達ができたのも、やっぱりヨン様あってこそなの!」
イベントの翌日、ヨン様は東京ミッドタウンの雑貨売場でウインドーショッピングをして、帰国した。
機上の人となったヨン様を見送りながら、ある元祖追っかけファンがこうつぶやいた。
「若手アイドルは、親近感がウケているけれど、ヨン様はずっと遠くの別次元の人。でもポラリス(北極星)みたいに、変わらないし、動かない。だから会えたり、見たりすると、ほっと安心するし、うれしい」
※女性セブン2011年9月22日号