「保守政治家」を自認する野田佳彦・新首相が誕生した。野田氏は原発再稼働に積極的だと言われているが、「リベラル」「左翼」と評された菅政権と何が変わるのか。ベストセラー『国防論』の著者・小林よしのり氏は、原発問題についてこう語る。
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保守派はすぐに、サヨクは「脱原発=反核」で、保守は「原発推進=核保有」だと色分けするが、思考停止している証拠だ。そもそも技術への信仰とは進歩主義の思想であり、進歩主義を疑うのが保守のはず。本来は、保守こそが脱原発を主導するべきなのだ。
また、保守派は原発を持つことが潜在的な核抑止力になっていると嘯くが、むしろ原発の保有によって常にIAEA(国際原子力機関)の査察を受け、アメリカの統制下で絶対に核保有できないようになっているのが現状である。
核兵器が必要であるなら、そういったまやかしを止め、脱原発と核保有をセットで進めるべきだとわしは考える。原発を廃止すると同時に、NPT(核拡散防止条約)から脱退して核兵器保有を宣言する。それこそ、日本が真の独立国となる道筋ではないか。
※週刊ポスト2011年9月16・23日号