食の安全性に注目が集まるいま、昔から日本の生活に根付いている伝統食が見直され始めている。添加物を一切使わず、自宅でも作ることができる天然調味料 “塩麹”もそのひとつ。美容や健康にこだわる人の間では、そのパワーが話題になって毎日の料理に取り入れられている。酵素の働きで旨みがアップしたり、 美肌効果もある塩麹とは? そして、その使い方は──?
そもそも、“麹”や“塩麹”とは何だろう。“麹”とは、蒸した米や麦などに“麹菌”という微生物を繁殖させたもので、みそやしょうゆ、お酒など、日本の伝統発酵食には欠かせないもの。その“麹”に塩と水を合わせて発酵させたものが“塩麹”だ。
大手スーパーや百貨店、インターネットなどで麹を購入し、塩と水を加えて自家製の塩麹を作るのが一般的。塩麹自体を売っているお店もある。
この塩麹には、大きく分けてふたつのいいことがある。ひとつめは“おいしくなる”。麹菌が蒸した米や麦に生えるときに出す“酵素”が、食材のたんぱく質やでんぷんを分 解して、旨みと甘みを生み出す。ふたつめは、“健康&美容にいい”。麹には腸内細菌のバランスを整える働きがあるといわれ、免疫力のアップや便秘解消、美肌効果などが期待できる。
作り方は簡単だ。麹に、水と塩を混ぜて常温で1週間(冬場は10日~2週間)置いて発酵させる。発酵途中の1週間は毎日かき混ぜて空気を入れる必要がありるが、1度完成したら、後は冷蔵庫に入れて1~2週間に1度かき混ぜるだけでOK。
その使い方はさまざま。麹に塩を加えた塩麹は、カドがとれた、まろやかな塩と考えてほしい。食材と和える、混ぜる、漬けるなど、調味料代わりに使える。
賞味期限も気になるが、発酵させた塩麹は冷蔵庫に入れておくと、約半年間保存できる。冬場は暖房をつけなければ常温でも大丈夫だが、夏場は常温で保存すると発酵が進んで分離するため、頻繁にかき混ぜなければいけない。
※女性セブン2011年9月22日号