胃がん同様、大腸がんも早期であれば、内視鏡による治療で100%近く完治するので、やはり注目する項目は「内視鏡」の割合だ。「内視鏡」の割合が高い病院は、早期発見のために検診体制を整え、内視鏡の専門医が充実している病院といえるからだ。
初回治療症例数の7割近くを内視鏡が占める島根県立中央病院の医療局次長・今岡友紀医師はこういう。
「島根県は自治体やJAも連携して検診体制がしっかりと確立しているので、早期で見つかる患者さんが非常に多いのです。当院の特徴としては、1回目の内視鏡治療でポリープを切除すること。たいていの病院は1回目に検査をし、2回目で切る。うちは1回で切除してしまうので、非常に多くの患者さんを診ることができる。患者さんにとっても、体の負担はもちろん、経済的な負担も軽くなります。2007年に内視鏡を性能の高いものに総入れ替えして効率が上がったことも2008年の件数の多さに表われたと思います」
福島県の慈山会医学研究所付属坪井病院も、同様にこういう。
「大腸がんの内視鏡の件数が多いのは、そもそも検査の数が多いから。早期がんは自覚症状がないので検査は重要です。当院には内視鏡室が6部屋あり、医師も内視鏡技術に優れています」(同院外科部長・湖山信篤医師)
※週刊ポスト2011年9月16・23日号