グルメ漫画の先駆け『美味しんぼ』(小学館)がスタートしたのは1983年。現在も連載は続いており不動の人気を誇るが、最近また、新たな“おいしい漫画”が登場している。
「読んでいると、何だか無性に料理がしたくなる、食べたくなる作品が多い」と語るのはサイト『鈴木めぐみの情熱的マンガ生活』を運営している鈴木めぐみさん。
多くは身近な家庭料理で、家族や友人、恋人とのだんらん、コミュニケーションが食事を通じて描かれているのが特徴だ。また、“料理男子”や“事情ありの料理女子”の頑張る姿もほほえましい。
そこで、鈴木さんと、料理ライターのKazueさんに、いまおすすめの“おいしい漫画”を3冊紹介してもらった。きっと「もう、毎日料理するの飽きた!」というあなたも、目で見て満腹&いますぐ料理をしたくなるはず!
鈴木さんがおすすめするのは、『澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。』(山田可南/小学館)。母が亡くなり、荒れ放題だった澤飯家の食生活を改善すべく、料理を始めた中1の光。なんの変哲もない“おにぎり”をきっかけに母の味を見つけた光は、料理に目覚めていく。
「もう声を聞くことはできなくても、澤飯家の食卓に並ぶ光の手料理はきっと、亡き母が“おうちごはん”に込めていた家族への愛情をこれからもずっと伝えてくれるはず。ちょっぴり切なく、でも明るくて、前向きな家族模様にほのぼのと癒されます」(鈴木さん)
Kazueさんがおすすめするのは、『にがくてあまい』(小林ユミヲ/マッグガーデン)だ。仕事に燃えるアラサー女・マキと、イケメンの高校教師・渚は、一見美男美女の理想的カップル。実際は男に恵まれない女と、女に興味のない男、野菜嫌いと真性のベジタリアンという正反対なふたりの同居生活を描く食ライフラブコメディー。
「渚の手をかけた野菜メニューは、仕事に疲れてカサついたマキの心を癒し、お肌も美しく整えてくれる。ゲイとわかってはいても、惚れてしまいそう」(Kazue)。
そして、鈴木さんとKazueさんふたりともおすすめするのが、『きのう何食べた?』(しながふみ/講談社)。1か月の食費は2万5000円。特売品を求めてスーパーをはしごするなど、主夫のカガミのような弁護士・筧史朗が、恋人のために作るバランスも完璧な家庭料理が人気。
「食べたい・作りたい普段着レシピが満載。食事って、ただ単純に空腹を満たすためのものじゃなくて、大好きな誰かとおいしくて幸せなひと時をすごすためのものなんだって、しみじみと思わせてくれる作品」(鈴木さん)。
「さりげなくはいる料理のコツも○」(Kazue)。
※女性セブン2011年9月22日号