アイドル業界は、AKB48の大ブレークによって、複数メンバーによる「ユニット化」が定着し、さらに、昨年から今年にかけて「大人数化」が加速している。
まず、昨年から今年にかけて、大手プロダクションがプロデュースしたユニットを見ると、『SUPER☆GiRLS』12名、『ぱすぽ☆』10名、『Fairies(フェアリーズ)』7名、『さくら学院』12名、『スマイル学園』10名、『pre-dia』(プレディア)12名となっている。
また、こうしたユニットよりも少し前にデビューして、すでにアイドルファンの支持を得ているユニットとしては、『ももいろクローバーZ』5名、『東京女子流』5名、『スマイレージ』7名、『風男塾』6名がある。さらに、アイドルおたく系の支持が熱いユニットとして、『アフィリア・サーガ・イースト』12名、『YGA』10名、『ドキドキ☆ドリームキャンパス』8名、『JK21』7名などが存在する(以上、合計14ユニット・123名)。
ユニット化と大人数化を先導したAKB48の肥大化も止まらない。姉妹ユニットとして、『SDN48』、『SKE48』、『NMB48』、『乃木坂46』、『HKT48』が次々にデビューまたはデビューをする予定。AKB系には、「研究生」といった肩書のメンバーも数多く在籍していることから、AKB系のアイドルはトータルで300名近くいると推測される。
「地下系やローカル系を含めると、アイドルユニットに在籍する女のコは、全国で1000人を超えるのでは」と、アイドル中心の中堅プロダクションのマネージャーが証言する。
では、なぜこうしたアイドルのユニット化&大人数化が進んでいるのか。芸能記者がその背景を分析する。
「背景には、アイドル業界の収益構造の変化があると思います。従来の収益源だった写真集やCD、DVDの売り上げは激減していますが、ライブコンサートの売り上げは伸びている。いまや、入場料や会場での物販がメインの収益となっているので、ライブを行ないやすい大人数のユニットが求められているのでしょう」
とはいえ、メリットばかりではないようだ。前出のマネージャー氏は次のように語る。
「所属事務所がバラバラでユニットを組んだ場合、広く人材を集められる反面、メンバー1人1人まで監督の目が行き届かなくなるケースもあります。一方、単一の事務所だけでユニットを組む場合、今度は人材が揃いにくい。そこで、主要メンバーの脱退が起きると、ユニット全体に悪影響が出て、人気が下降してしまうケースも多いです」