スポーツ

丸山桂里奈 全治6か月の大ケガは「中国の幽霊のせい」と母

全治6か月の大ケガを負った丸山桂里奈

ロンドン五輪の出場権を順当に獲得した「なでしこジャパン」。キャプテンの澤穂希選手が多くの注目を集めるが、「なでしこ」は実に個性豊かな女性たちの集団である。ここでは、注目の新刊『なでしこジャパン栄光への軌跡 世界一のあきらめない心』を上梓したスポーツライターの江橋よしのり氏が、“美女ストライカー”と評判の丸山桂里奈(かりな)選手(ジェフ千葉レディース)のエピソードを紹介する。

* * *
ロンドン五輪予選を戦う間、なでしこジャパンが泊まったホテルでは、毎夜、怪奇現象が起きていたそうです。選手たちが寝静まったころ、丸山選手と安藤梢選手(デュイスブルク)が泊まる部屋の呼び鈴が鳴り、2人が「何事か」と飛び起き、ドアを開けると、誰もいなかったといいます。

チームメイトのイタズラだとは思えません。超過密日程のなか、コンディショニングに影響する睡眠を邪魔するのはタチが悪いですし、そもそもイタズラをするほうにも、夜中にそんな暇はないはずです。ライバルチームの嫌がらせだとしても、わざわざ日本の宿舎で、しかも丸山選手と安藤選手の部屋だけを狙う理由が不明です。

丸山選手は寝不足に悩まされました。そのうえ、この五輪予選では出場機会もなかなかめぐってきませんでした。チームの劣勢を挽回する切り札として投入されることが多い丸山選手ですが、今大会のなでしこジャパンはタイ戦以外、1点を守り切る試合展開となりました。そのため「逃げ切り」ではなく「追いかける」展開が得意な丸山選手は、ベンチで仲間たちを見守るばかりでした。

来年の五輪本大会に向けてアピールしたい丸山選手は、最後の中国戦に「試合前の練習で膝に違和感があった」にもかかわらず後半途中から強行出場。最後のプレーで前十字靭帯損傷という大怪我を負ってしまいました。

全治6か月と診断された後、私はすぐに丸山選手の母・慶子さんに電話しました。すると慶子さんは「中国の幽霊のせいですよ。例のピンポンダッシュ事件も、膝の怪我も、かりちゃんが幽霊に狙われたとしか思えない」と、やり場のない怒りをにじませながら語りました。

「それでも、桂里奈は前しか向いていません。『起きてしまったことは変えられない。ロンドンで金メダルを取るために、私はサッカーの神様から試練を与えられたのだと思う』と、娘はそういうんです」

丸山選手は患部を少しでもいたわりたいと、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの栄養分も積極的に摂取して、回復に努めているそうです。この9月中に手術を行ない、その後は長いリハビリをこなす予定です。ピッチで元気な姿を見せられるのは2012年の春になりそうですが、怪我を乗り越えてまたひとまわり大きくなった丸山選手に期待したいです。

撮影■金子悟

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン