引退会見では暴力団関係者と一緒に写った写真など存在しないと話していた島田紳助(55)。しかし、『FRIDAY』(9月23日号)に山口組ナンバー4で、極心連合会会長・橋本弘文氏との写真が掲載された。
これまで紳助と暴力団とのかかわりについて取材をしてきたノンフィクションライターの森功氏は、この親密写真が持つ意味についてこう話す。
「“紳助逮捕”説も出ていますが、刑事事件の容疑があって初めて逮捕ということになるので、彼がすぐに逮捕されるということはない。しかし警察としては、“暴力団との親密交際者を放っておくのか”という世論に応えなければ自分たちの存在を示せない。そういった意味で、この写真は紳助逮捕に向けた捜査を開始する絶好の機会となったわけです。捜査に対しての力のいれ具合は確かに高まったと思います」
10月1日に全国で施行される「暴力団排除条例」(以下、暴排条例)も後押ししている。これは、暴力団に利益供与をした個人や法人は、警察の呼び出しを受けたり、名前を公表されたりし、違反した場合は、罰則が科せられるというもので、大阪と福岡では全国に先駆けてすでに施行済みだ。全国30万人という警察の頂点に立つ安藤隆春警察庁長官は、国家公安委員会の会議後の記者会見の席で、
「芸能界と暴力団との関係を断ち切るためには、芸能界にも暴力団排除に向けた自浄努力が必要であり、警察としてもそのために必要な支援を行う」と発言した。
「芸能界と暴力団」――それは切っても切れない縁にある。歴史をたどると、江戸時代まで遡る。
「各地で興行を打つ芸能の世界は、博徒や侠客を用心棒として使ってきたため、ヤクザ組織と一心同体だった」(前出・森氏)
実際、山口組の二次団体である後藤組(2008年解散)の元組長・後藤忠政氏は、昨年5月に上梓した自叙伝『憚りながら』(宝島社刊)のなかで、自身の体験をもとに、芸能界の人脈を実名で告白して話題となった。
そんな古くからのつながりを、警察はいま一丸となって断ち切ろうとしているのだ。暴力団と芸能界の関係について詳しい芸能評論家の三杉武氏はこう指摘する。
「8月29日に大麻所持で逮捕されたモデルの高橋歩美容疑者(26)も、暴力団関係者の交際相手の捜査の中で検挙された。逮捕された加護亜依(23)の同棲相手からも暴力団の名前が出ています。今回紳助と暴力団幹部との写真が出たことで、大阪府警は引くに引けなくなった。どんな微罪でも逮捕に結びつけようと躍起になっている」
※女性セブン2011年9月29日・10月6日号